広汎性発達障害とは、対人関係の困難が見られたりパターン化した行動や強いこだわりの症状が現れたりする障害のことです。
これまでは、「対人関係の障害」「コミュニケーションの障害」「こだわり、興味のかたより」の3つの基準にて「広汎性発達障害」と診断されていました。しかし、2013年に改訂されたDSM-5では広汎性発達障害の分類がなくなり、「自閉症スペクトラム障害/自閉スペクトラム症」という名称になったのです。
また、診断基準も「対人関係、コミュニケーションの障害」「こだわり、興味のかたより」の2つでの診断になりました。
ここでは、生活面と学習面でどのような特徴が見られるのか説明していきます。
広汎性発達障害の子どもは、周りの人に関心がないように見えたり、逆に関わりを持とうとして一方的になってしまったりします。集団行動が苦手でなじめなかったり、相手の気分を害することをして孤立してしまったりするケースもあります。
学習面に関しては、学習障害を伴うことにより読み書きが苦手だったり数字や計算に困難さを抱えていたりする場合もあります。 抽象的な概念についての理解の乏しさが学習に支障をきたすケースもあるので、注意が必要です。
広汎性発達障害に学習障害が合併しているケースは多々あります。しかし、明らかな学習障害による特性が見られなくても想像力の障害があり、学習に困難さを伴うこともあります。
例えば算数や国語の文章問題などで、場面をイメージできないため解けなかったり、問題の意味を理解できなかったりするのです。子どもが苦手とすることをしっかりと把握したうえで、そこに焦点をあてた支援をしていくのが望ましいです。
ここでは、専門の学習塾で受けられる指導内容をご紹介します。
国語や算数の文章問題などのように、抽象的な概念を理解することが難しい子どもには、「なにをどうする」を具体的な言葉にして説明するとわかる場合があります。それでもイメージができないケースの場合、イラストや図にして説明したり、おはじきを用いてわかりやすく伝えたりする方法を取り入れて理解を促しています。
問題文の意味が分からずに読むと、読み方がたどたどしかったり、文節の切り方が違ったりするケースが見られます。
最初にあらすじを伝えて、どのような内容か理解を促すのも有効です。一緒に読むもしくは、代わりに読んで意味のまとまりを整理するなど、子どもの苦手に合わせてサポートしている塾もあります。
集中力がなく気が散りやすい特性がある場合、1度に行う課題を1つまでにしてサポートしています。長時間ダラダラやるよりも、子どもが集中できる時間で無理のない量を進めるほうが効果的だからです。
気が乗らない場合、得意科目の問題を解いて気分が上がるようサポートしています。「できた」という成功体験を重ねることは本人の意欲につながり、「もっと勉強したい」という気持ちになっていくはずです。
広汎性発達障害などを抱えている場合、子どもの得意・不得意な部分を把握することが大切です。特性の現れ方には個人差があるため、学校や医療機関、塾の先生と連携を取りながらサポートしていくと良いでしょう。
子どもの成功体験を積み重ねていくことで、学習意欲を高められるだけではなく、子どもの自信に繋がっていきます。些細なことでも、ほめながら学習を継続していくと良いでしょう。
学習塾を選ぶ際は、その子の個性に合わせて指導をしてくれる専門性の高い塾を選ぶことが重要です。当サイトでは発達障害のお子さんが通える全国の学習塾をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。